絶大なる人気を誇る「Hug healing treatment®」の提唱者であるUno.さん。セラピスト時代、「ワンルームにいるときは不安だった」と語るUno.さんが辿り着いた答えとは? Hug healing treatment®の誕生から今後の展望、セラピストさんに伝えたいことなどを語っていただきました。
すべては挫折経験からはじまった
── メンズエステを始めたきっかけを教えてください。
Uno.さん セラピストデビューは約12年前のことです。実は元々シナリオライターをやっていました。
── えっ!? そうなんですか?
Uno.さん はい、実は(笑)。儲からないし、「自分には才能がないのかな?」とぼんやり思っていたとき、自分や他人を癒やしたいなと思って、アロマスクールに通い出したんですよ。
無事に卒業し、勉強したことを活かしたいと思って求人を探していたときに、“メンズアロマ”という文字が目に入り、応募しました。
当時、メンズエステがどういうものか分からなかったので、バシッとリクルートスーツを着て、面接に行きました。誰もそんな格好の人いなかったですけど(笑)
── ですよね(笑)
Uno.さん 面接後、すぐに採用されました。そのときに「(セクシーな衣装を見せながら、)これがうちの衣装なんだけど、手足を出してるほうがスタイルも良く見えない?」「男性へのトリートメントは抵抗ない?」など質問され、「メンズエステって何?」と思いましたね。
店舗に案内されたとき、クラブのような内装を見て、「なるほどな」と察しました。まぁ、お客さまも多そうだったし、「いっぱい体に触れることができるから上達できる」と言われたので、とりあえずやってみようと。
── 店舗内を見たときに怪しいと思わなかったのですか?
Uno.さん 少しは思いましたが、給与も高いし納得しました。これが私のセラピストデビューですね。
自分が当たり前にやってきたことは当たり前ではなかった
── セラピストとしてご活躍されていたなか、なぜスクールを始めようと思ったのですか?
Uno.さん お店を変え、初めてワンルーム勤務になったときに、みんながどんな感じでやっているのかわからなくなりました。これまでは店舗型で、情報共有する相手がいたので。
インターネットで「メンズエステ なにしてる」みたいな検索をしたけど、セラピスト向けに発信されたものがほとんどありませんでした。だったら、「私がやろう」と思ったんですよね。
── 具体的には、どういう情報を発信しようと思ったのですか?
Uno.さん 指名のお客さまが増えてきて、「少しは人気出てきたかな?」というタイミングで、当時のオーナーさんやセラピストさんから、「なぜそんなに指名が取れるのか?」を聞かれるようになりました。
理由がわからなかった私は、一度、自分のやり方を見てもらうことにしました。すると意外なことに、みんな手技を知らなかったんです。“これまで自分が当たり前にやってきたことは当たり前ではない”ということに気づきましたね。
「これをもっと広く発信できないかな?」「もっとみんながハッピーにお金を稼げたらいいな」という想いで、まずはメンズエステレッスンブログを始めました。
── あのブログの開設にはこんな背景があったんですね。
Uno.さん そうなんです。私はメンズエステに感謝しています。だから、この業界に何かを還元したいと思って、技術やそういうマインドを発信していたところ、ブログ経由でレッスン依頼を受けるようになって、これには需要があると感じてスクールを設立しました。
「技術を学んだから、指名につながる」ではない
── 将来、講師をやりたいと考えているセラピストさんもいると思いますが、ぶっちゃけ「講師業」はどうですか? 率直に教えていただきたいです。
Uno.さん 正直、講師は“稼げない”と思います。と言うより、時間や労力に見合ったメリットがない気がしますね。
── ぶっちゃけ話、ありがとうございます(笑)
Uno.さん プレイヤーを退きたくて講師をやる人もいると思うんですけど、それをしてしまうと失敗する気がしていて。
メンズエステ業界の流れは早いから、新しい手技がどんどん出てくる。だから“講師もプレイヤー”でいないと置いていかれると考えています。学び続けないと誰にも教えられなくなるんじゃないかな。
そう考えると、講師とプレイヤーの業務がダブルで乗っかってきて、より忙しくなるんですよね。
── なるほど……。
Uno.さん セラピスト時代のほうが自由にやれていました。「自分も楽しんでお客さんも楽しむ」ことでお金をいただけるのはすごくよかったなと思います。
その楽しかった経験があるので、講座では「なぜ指名が取れるのか」「なぜこの手技はいいのか」を教えることを意識しています。その上で、自分が教えた受講生が活躍するのは嬉しいですね。
── ちょっと意地悪な質問で恐縮なのですが、(講座を受けたけど、)「指名が増えなかった」「何も変わらなかった」という意見もゼロではないと思うのですが、実際どうですか?
Uno.さん あー、ありますね。これ勘違いされる方もいるので、いつも言っているのですが、「技術を学んで、自信をつけると、指名につながる」はあると思いますが、「技術を学んだから、指名につながる」はないと思います。癒やされて楽しい空間でないと、お客さまは帰ってきてくれません。
「トリートメントが上手くなった=お客さまが来る」ではない。これはメンズエステだけではなく、一般的なリラクゼーションサロンでも同じことが言えますよね。
── 確かに。選ばれる要素はスキルだけではないということですね。
Uno.さん そうですね。なので、「これを学んだらお客さまを呼べるかも」ではなく、「これを学んだら今の自分にプラスアルファになるかも」という意識で講座に来ていただけると嬉しいです。
実際、受けに来るのはお店のNo.1の方も多いです。「お客さまに何かを還元したい」と考えているからこその行動なんだと思います。
── なるほど。深いですね。
どんなスタイルのセラピストにも学びを
── 最近、日本ハグヒーリング協会主催のイベントを開催されていますが、なにか意図や目的はあるのでしょうか?
Uno.さん 「みんなと仲良くしたい」という気持ちと「何かを共有できる仲間を作る場」になればいいなと思ってやっています。あとは、ハグヒーリング認定セラピストさんをみんなの前で紹介し、彼女たちがアウトプットする場を作ってあげたいですね。
── おぉ、良い取り組みですね。でも、それはなぜですか?
Uno.さん アウトプットするということは、インプットが必要ですよね。みんなの前で「認定セラピストです」と宣言することは、メンズエステに対する自信がないとできません。なので、必然的にインプット量を増やすことになり、それは自己成長につながります。あとは、みんなの前で堂々と話す経験を積ませてあげたいですね。
── 素敵ですね。お話を聞いていると、Uno.さんの原体験に基づいているように感じます。仲間がほしかったと仰ってましたし、インプットとアウトプットを繰り返して今の地位を確立されたと思うので。
Uno.さん 言われてみると、確かにそうかも知れませんね。私が経験してよかったことをそのままかたちにしているのかもしれません。
── 素晴らしいことだと思います。ちなみに、Hug healing schoolの今後の展望や構想はありますか?
Uno.さん そうですね……。ハグヒーリングは元々、メンズエステで働く人のために作ったものです。特に初心者セラピストさんのためを思っています。私は「Hug healing treatment®」というブランドを広めたいわけではありません。ブランドは後からついてくると思っています。
今後は「ハグヒーリング講座」と「メンズエステ講座」にわけて、Hug healing treatment®を教える講座と、オイルの基礎からメンズエステにおける接客術を教える講座の2軸でやっていこうかなと考えています。
「メンズエステ講座」を受けて、「ハグヒーリング講座」を受け、手技の幅を広げるもよし。「メンズエステ講座」だけを極め、個人力を高めるもよし。どんなスタイルのセラピストさんにも学びの場になるように運営していきたいです。
あとは、頑張ってくれている受講生の価値向上のため、Hug healing schoolは大きく発展させていこうと思っています。今、全国各地で出張セミナーを主催しているのですが、おかげさまで多くの方にご参加いただいています。ブランド認知が高まっているのを感じました。
受講してくれたセラピストさんが、もっと胸を張ってHug healing treatment®ができるようにしていきたいですね。
── ありがとうございました。
インタビューを終えて
「Hug healing treatment®」はあくまでもブランド名称に過ぎず、本当に伝えたいことは別にあると語るUno.さん。
修了生が「ハグヒーリングやってます」と自信を持って言えるよう、Hug healing schoolを大きく発展させていきたいと仰られている姿は、ハグヒーリングに関わる全ての人に対する愛情の深さを感じました。
今後もHug healing treatment®の発展に注目していきたいと思います。
インタビューを行った店舗
Hug healing school(ハグヒーリングスクール) | |
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エリア | 北参道 |
業種 | スクール |
電話番号 | 080-2211-5124 |
営業時間 | 10:00〜18:00 |