余裕を持った“大人の嗜み”を提供するために。「マインドメイク」を通してドSなにゃんこが実現したいこと

「自信を持って異性と接してほしい」

これは「ドSなにゃんこ」のセラピストである咲良ゆかさんの想い。

インパクトある店名のため“誤解を受けやすい”が、それとは裏腹にメンズエステや接客に対しての真摯に向き合うオーナーとセラピスト。

そんな「ドSなにゃんこ」のメンエス切り込隊長さんと咲良ゆかさんに話を聞いてきました。

正解がないからこそ「どこに着地させるか?」を決めることが重要

── はじめまして。突然ですが、なかなかインパクトある店名ですね(笑)

メンエス斬り込隊長さん:そうなんですよ! うちのセラピストさんがつけてくれたんですけど、なかなかですよね(笑)

でも名前はアレなんですけど、けっこう真面目にやってて、うちはディープリンパもカエル足も四つん這いも施術に組み込まれてないんですよ。

── えっ、メンズエステでよくある施術がないんですか?

メンエス斬り込隊長さん:リンパトリートメントに必要な鼠蹊部施術はやりますよ! ただ、当然だけど健全にやっていきたい。だからこそ、トリートメントに対して本気で向き合っています。

── そういうことですね。なんかメンズエステって何が正解で何が不正解か分かりにくくないですか?

メンエス斬り込隊長さん:「これが正解!」というものがないのがメンズエステの良さでもあり、問題でもあると思っています。

お客さまによって、着地してほしいポイントが違うこともあり、「どこに着地させるか?」が重要。その着地点を作るのはセラピストさん。だからすごく難しい仕事ですよね。

── 「ここに着地させよう」ってコントローラブルなことではないので難しいですね…。

メンエス斬り込隊長さん:うちに咲良さんというセラピストがいるのですが「寝させる」ことを着地としていますよ(笑)

ただ、寝ちゃうのってもったいないと思ってしまうお客さまもいると思うんです。だからうちのカウンセリングシートには「お眠りになられた場合は起こしますか? そのまま寝ますか?」という項目があります。

── 珍しい質問ですね。

メンエス斬り込隊長さん:“某有名ヘッドスパ専門店”ってあるじゃないですか? あれって厳密には寝てないんですよね。寝ては起こされ、寝ては起こされする。それが気持ち良さの秘訣だったりもする。

メンズエステのトリートメントが気持ちいいから寝ちゃいたいけど、ドキドキも楽しみたいから起こして欲しいと思う人もいるはず。そういう方向けの質問ですね。

── なるほど。

居心地の良い空間を実現するために。オーナーと店長の役割は明確に分ける

── なぜメンズエステを始められたのですか?

メンエス斬り込隊長さん:あるセラピストさんが「独立したい」と言っていたので、それを支援するかたちで始めました。

過去からのつながりやSNSなどで自分でお客さまを獲得して呼んだとしても半分くらいはお店に取られてしまいます。だから“女の子が稼げるお店づくり”がしたいと言われまして。

これには賛同しました。ただ「作るのはいいけど、経営は大変だよ?」と強く問いかけました。

── なぜあえてその問いかけをしたのですか?

メンエス斬り込隊長さん:メンズエステだけでなく、どんなものでも経営は大変であることを伝えたかった。立ち上げればすぐに利益が出るわけでもないですしね。

それに他の業界と違い、メンズエステ業界は確固たるものがない。それを創り上げていかないといけないのだから、他の業界よりも厳しいはず。

そういう厳しい業界・環境に身を置くことの「覚悟」みたいなものを確かめたかったんですよね。

── なるほど、理解しました。お店を運営するにあたり、気をつけていることはありますか?

メンエス斬り込隊長さん:待機の時間を過ごしやすい時間にしてあげたいですね。

なるべく待機時間は出したくないんですが、どうしても出てしまうタイミングはあるんですよね。だからこそ、そういうときに居心地の良いルーム作りは意識しています。

テレビがあったり、Wi-Fiがあったり、スタイリッシュさよりもセラピストさん個人のお部屋って感じ。お客さま目線で言うと「女子大生の部屋に遊びに来た」みたいなお部屋になっているかと思います。

── 大切ですね。他にありますか?

メンエス斬り込隊長さん:店長が言ったら角が立つようなことは僕が言うようにしています。店長はセラピストも兼任しているので、同じ立場の人間に言いにくいこともあると思いますし、逆に言われるのも嫌でしょうし。

あと、講習は女性のみで行っています。男性相手の講習を希望される場合のみ、講習モデルを用意します。あわせて、写真の撮り方なども女性が指導していますね。男性が教えるより上手いですし(笑)

オーナーと店長の役割はしっかりと分けるようにしていますね。もちろん、助け合いはしますよ。

お客さまが選ぶのは店ではなく自分。箱はどこでもいい

── はじめまして。早速ですが、どんなセラピストさんと一緒に働きたいですか?

咲良ゆかさん:日銭を追うのではなく、リピーターさんを大切にできる方と働きたいですね。

メンズエステは日払いのところが多いので、新規のお客さまが来てくれればある程度は生きていけます。だから日銭だけを追ってしまうと、目の前のお客さまに対して真摯に向き合えなかったり、お店の集客のせいにしてしまう。

それよりもどうやったら自分のファンを増やすことができるのかを考えるべきだと思っています。お店全体の売上が伸びると、いいお客さまだけで運営できるので、結果的に自分たちの働きやすさにつながってくるんですよね。

── なるほど。とはいえ、日銭を稼ぎたい方もいると思いますが、そのあたりの見極めはどうされるんですか?

咲良ゆかさん:新型コロナウイルスが流行る前からメンズエステをやっていた人たちは「フリーのお客さま」が減っているのを実感しているはず。

「自分のお客さまがいない≒生活できない」からこそ、一人ひとりのお客さまを大切にしていかない。それをよく理解している方が多いと思っています。

そういう意味では「いつから業界にいるのか?」はひとつの見極めポイントになり得ると思います。

── 答えにくい質問への回答ありがとうございます。ちなみに咲良さんはどうやってその思考を身につけましたか?

咲良ゆかさん:私はナイトワーク全般を経験してきました。そこで気づいたことがあるのですが、お客さまが選ぶのは「店ではなく自分」であること。

移籍したり、業態を変えても私のお客さまはついてきてくれました。「箱はどこでもいい。私に会いたいんだ」と素直に思えるようになりましたね。

各業態でお客さまと接客するときに大切にしてきたことが違うのですが、自分の接客は間違っていないんだと自信にもつながりました。

それは今でも自分の大きな財産ですね。

自信を持って異性と接してほしい。その手助けをここでやりたい

── セラピストさんに対し、これだけは大切にしてほしいと思うことはありますか?

咲良ゆかさん:「お客さまから時間を買っていただいている」ということは忘れないでほしいです。この意識がないと、その時間を適当にやり過ごすことになってしまうと思います。

そういうのってお客さまにはバレてしまうんですよね。だから最後まで気を抜かないことが大切です。自分も強く意識をしています。

── 確かに。そういうのわかる気がします。

咲良ゆかさん:あと、私はもともと美容部員をやっていました。化粧品の販売を通して、女性の表情が明るくなったり、元気になったり、そういうのに達成感を見出していました。

メンズエステも同じで、最後のシャワーから出てきたお客さまのスッキリされた顔を見ると「やった!」と思います。いい仕事したな〜と(笑)

── 一つひとつの仕事を大切にされてて素敵です。最後にこれを読んでいる人に何か伝えたいことはありますか?

咲良ゆかさん:実は私は将来エステサロンをやりたくて、今メンズエステをやっています。その際、男性もOKにしたエステをやりたくて。

ボディメイクをして、マインドメイクもして、清潔感を手に入れてもらって…「自信を持って女性と接してください!」って送り出してあげたいんです。

これは女性に対してもそうです。全く同じ。自信を持って異性と接してほしい。そのための手助けをしてあげたいと思っています。

今はこのお店を通してそれを実現できないか考えています。

メンエス斬り込隊長さん:これを相談もらって、うちでは「大人の嗜みコース」をいうものを作ってみたので、ぜひ体験していただきたいですね。これぞ、大人の嗜みですよ。

※詳細は下記YouTubeにて

インタビューを終えて

最初、インタビューのご依頼を受けたときに「このお店大丈夫かな? 受けていいものか…」と悩みました。オーナーさん、申し訳ございません(笑)

ただ、お話を伺っていくうちに、メンズエステやそこに来るお客さまに真摯に向き合い、そして自分たちがしたいことが明確にある素敵なお店であることがわかりました。

“メンズエステは大人の嗜み”。この世界観、もっともっと広がるといいなと思います。

インタビューを行った店舗

ドSなにゃんこ
ドSなにゃんこ
エリア桜木町
業種メンズエステ
電話番号050-3553-0045
営業時間11:00〜翌3:00